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z-indexとスタッキングコンテキストを理解する

2025-03-30 公開 2025-03-30 更新 GitHub
目次

z-index とスタッキングコンテキスト

z-index を使用する中で、なかなか自分の思い通りにならずにデザインを実現するのに詰まることがあったので、 これを機会に z-index の理解を深めたいと思います。

スタッキングコンテキスト

z-index を理解するにあたって重要な、スタッキングコンテキスト(重ね合わせコンテキスト)という概念があります。

スタッキングコンテキストはすべての要素が初めから持っているものではなく、ある条件を満たすとその要素自身に対して生まれ、その要素の子孫要素にも影響を及ぼします。

そしてそのスタッキングコンテキストには生成される条件があります。

文書のルート要素 ( html )

position の値が absolute または relative であり、かつ z-index の値が auto 以外の要素

position の値が fixed または sticky の要素(sticky はすべてのモバイルブラウザーにありますが、古いデスクトップブラウザーにはありません)。

container-type の値がコンテナークエリーのために size または inline-size に設定されているもの。

フレックスコンテナーの子であり、 z-index の値が auto 以外の要素。

グリッド (grid) コンテナーの子であり、 z-index の値が auto 以外の要素。

opacity の値が 1 未満である要素(不透明度の仕様をご覧ください)。

mix-blend-mode の値が normal 以外の要素。

以下のプロパティのいずれかが none 以外の値を持つ要素。

transform filter backdrop-filter perspective clip-path mask / mask-image / mask-border isolation の値が isolate である要素。

will-change の値が、初期値以外で重ね合わせコンテキストを作成する任意のプロパティを指定している要素(この記事を参照)。

contain の値が layout または paint であるか、これらのどちらかを含む複合値(すなわち contain: strict, contain: content)を持つ要素。

最上位レイヤーに配置され、対応する ::backdrop がある要素。例えば全画面やポップオーバーの要素を含みます。

意外にも、opacity や transform プロパティの none 以外の値が指定された時などはスタッキングコンテキストを新たに生成します。

※ 混乱しますが、スタッキングコンテキストが生成された要素の中で z-index による重なり順の操作が可能になるわけではないので、opacity や transform の一部の指定ではスタッキングコンテキストが生成されるものの、位置指定要素や flex アイテム、grid アイテムではないので z-index が有効になりません。

z-index

z-index はスタッキングコンテキスト内での重なり順を制御するためのものです。

なので、スタッキングコンテキスト内でのみ z-index は影響を持ちます。

さらに、z-index が有効な条件は

の2つになります。

通常の要素の重ね合わせの規則

実際に例を見て重ね合わせの規則を確認していきます。

以下の例の通り、div1要素とdiv2要素があります。どちらも CSS で見た目を変えただけの、スタッキングコンテキストを持たない要素です。

一見してどちらも同じレイヤーに並んでいるように見えますが、このような単純な要素にも重なり順は存在します。

上記のような要素の場合、div2 に対して margin-top: -50px; をかけて div1 と div2 を重ねたとき、

div2 が前面に出ます(div1 に対してmargin-bottom: -50px;をかけても結果は同じです)。

これは、HTML 内での要素の出現順で、より後の要素が前のレイヤーに存在するという規則によるものです。

位置指定なしの子孫ブロック、 HTML 内での出現順

これは単純な要素の重ね合わせの規則の一部ですが、位置指定要素(position)であるかどうかや、スタッキングコンテキストを持つ要素かどうかで規則がより複雑になるため、もう少し深掘りします。

スタッキングコンテキストを持たない要素に z-index を指定する

先ほどの例で言うと、div1 は div2 の下のレイヤーです。

このどちらの要素もスタッキングコンテキストを生成する要素でもなく、z-index が使用できる要素でもないので、重なり順を z-index で制御しようとしても順序は変わりません。

以下の例では div1 に z-index: 10; 、div2 にz-index: 1; を生成しています。

結果としては div2 は、依然として前のレイヤーに存在しています。

div1 を div2 の上に表示させたい場合は、スタッキングコンテキストを生成しつつ、z-index が有効な要素で z-index を指定する必要があります。

以下の例では grid アイテムに対して z-index を指定しています(grid コンテナの子要素に z-index が auto 以外が指定されているとき、スタッキングコンテキストが生成されます)。

様々な要素の重ね合わせの規則

ここまで、スタッキングコンテキストの生成される条件や単純な要素の重ね合わせの規則について確認しましたが、

もう少し複雑な重ね合わせの規則があるので以下でそれを確認していきます。

ここでの重なり順は、z-index の影響がない重なり順の規則を確認したいため、z-index が autoであることを条件に見ていきます。

HTML 内の要素順

HTML 内の要素の順序によって、レイヤーが決まります。

  • 単純な兄弟要素同士(スタッキングコンテキストを持たない要素同士や位置指定要素同士でない場合)
  • static 以外の位置指定要素同士の場合
  • スタッキングコンテキストを持つ要素同士の場合
  • ※ 挙動的にはそうでしたが、明記されていないので確証はないです

などの条件のとき、HTML 内での要素順の後ろの方にある要素が前のレイヤーに表示されます。(後に検証をしています)

この規則で重ね合わせの順序が決まる条件は、比較される要素同士が同じ要素の条件の時だけのようです(position が static な要素同士、位置指定要素同士、スタッキングコンテキストを持つ要素同士など)。

位置指定要素(position)

position の absolute や relative、sticky、fixed などが対象です。

基本的に static 以外の位置指定要素は static な要素よりも前のレイヤーに配置されます。

ヘッダーなどで fixed を指定することがあると思いますが、無条件で前面に出るのはこの規則によるものです。

※ 位置指定要素同士の比較では、HTML 内での出現順によってレイヤーが影響を受けるので、必ずしも fixed や sticky を指定した要素が最前面に来るとは限りません

スタッキングコンテキストを持つ要素かそうでないか

スタッキングコンテキストを持つ要素はそうでない要素よりも前のレイヤーに表示されます。

検証の中で偶然見つけた規則なのでいまいち確証を持てないですがそれっぽいことが書かれてるのでおそらくそういう規則はあるかと思います。

子要素であるかそうでないか

子要素や擬似要素は基本、親要素よりも前面にでます。

以下の例では、擬似要素である青い三角は、その親要素よりも全面にあることがわかります。

※ 以下の例が悪いですが、例では擬似要素に位置指定要素を指定しているので前のレイヤーにきてしまいますが、位置指定要素が指定されていなくても擬似要素は親要素よりも前のレイヤーにきます。

ただ、場合によっては子要素を親要素よりも背面に配置したいことがあります。

例えば、擬似要素(青い三角)を.blowing(赤い色)より背面で、.wrapper(オレンジ色)よりも前面に配置したいとします。

このとき、なんとなく.blowingz-index: 99999などの大きな z-index を指定し、擬似要素にz-index: 0z-index: -99999などの親要素の z-index よりも低い値を指定すれば期待通りのレイヤー(.wrapper | 擬似要素 | .blowing | ← ユーザー目線)になるのではないかと想像しますが、そのようにはなりません。

.blowing要素と擬似要素はどちらも独立したスタッキングコンテキスト(.blowingは relative が指定されているので z-index の auto 以外が指定された時点で新たなスタッキングコンテキストが生成され、擬似要素も同様に absolute に加えて z-index の auto 以外が指定された時点でスタッキングコンテキストを生成します)を持っていて、z-index の値はそれぞれのスタッキングコンテキスト内での重なり順を決めるものなので、親要素の z-index の数値より子要素の z-index が低くても、それぞれのレイヤーは干渉しません。

※ MDN の例の div3 と div4、div5 の関係と同じ状況です。

話を戻して、以下のコードの(オレンジ色の要素と赤色の要素はスタッキングコンテキストを持たない)状態で擬似要素に対してz-index: -99999をするとどうなるでしょうか。

擬似要素は.wrapper (オレンジ色)要素の背面に周ります。

現時点での順序は以下のようになっているはずです。

html | 擬似要素 | .wrapper | .blowing ← ユーザー目線

ここから見てわかるように、z-index に負の数を指定するとスタッキングコンテキスト内でユーザー側から遠いレイヤーに配置されます。

(オレンジ色の要素も赤色の要素もスタッキングコンテキストは無いですが、html 要素がスタッキングコンテキストを持ちます

この規則を利用すれば、

  1. .wrapperに対してスタッキングコンテキストを生成する(この時点で子要素が親要素よりも背面に周ることがない)
  2. そのスタッキングコンテキスト内で最もユーザー側から遠いレイヤーに擬似要素を配置する

このようにすることで、

html | .wrapper | 擬似要素 | .blowing | ← ユーザー目線

という期待通りのレイヤーを実現できます。以下がその例です。

(例では opacity の 1 未満を指定して.wrapperにスタッキングコンテキストを生成していますが、スタッキングコンテキストを生成できれば relative でもなんでもよいです)

ちょっと混乱しますが、z-index の負の数は無条件に親要素の背面に周す(そう思っていた)という意味ではなく、スタッキングコンテキスト内でユーザーの目線から遠いところに位置するということのようです。

様々な要素同士の重なり順の比較

要素には色々なものがありますが、色々な要素の重なり順がどうなっているかを確認します。

z-index は重なり順を操作してしまうので、一部を除いては z-index は auto の状態で確認します。

grid アイテムや flex アイテムは、z-index を指定して初めてスタッキングコンテキストを生成するので、z-index の値をつけて検証しています。

以下の A、B、C の要素は要素の特性がバラバラです。それぞれが色々な特性を持つ要素とどう重なるかを例として見ていきます。

詳細

  • A. 位置指定要素

スタッキングコンテキストを持たない位置指定要素です。

  • B. スタッキングコンテキストを持つ要素

スタッキングコンテキストを持つ、position が static な要素です。

  • C. スタッキングコンテキストを持つ位置指定要素

スタッキングコンテキストを持ち、位置指定要素でもあります。

  • a. 通常の要素

位置指定要素が指定されていない static な要素でかつ、スタッキングコンテキストを持たない要素です。

基本的に位置指定要素を持つ要素やスタッキングコンテキストを持つだけの要素(z-index が auto でも)よりも下のレイヤーになります。

※ HTML 順序によるレイヤーの重ね合わせの規則はこの時影響を受けていません(#HTML 内の要素順)

  • b. transform translate | c. opacity の値が 1 未満である要素

※ この辺りは挙動を見て、という感じなので間違った解釈をしているかもしれません。

これはどちらもスタッキングコンテキストを新たに生成した要素です。

b,c が A,B,C よりも前のレイヤーに出ているところを見ると、スタッキングコンテキストを持つ要素同士や位置指定要素を持つ要素同士の要素の重なり順は同じようで、最終的に HTML 内の要素順で決定されている気がしています。

  • d. flex-container

これは、flex コンテナ自身に z-index を指定していますが、z-index が有効なのは grid・flex アイテムです。

この flex コンテナ自身に指定された z-index は意味をなさず、スタッキングコンテキストも生成されないので最も背面にきています。

grid コンテナも同様です。

  • e. flex-container2

flex コンテナの子要素(フレックスアイテム)に対して z-index を指定した時、その flex アイテムはスタッキングコンテキストを生成します。

この要素は z-index に auto 以外の正の整数(z-index: 99999)が指定されているので、flex アイテムのみ位置指定要素より前面に出ています。

  • f. z-index

z-index のみを指定した要素です。位置指定要素でもなく、grid・flex アイテムでもないのでこの z-index は意味をなしません。

position はデフォルトで static なので、A と C の位置指定要素よりも後ろのレイヤーになります。(#位置指定要素(position))

また、この要素はスタッキングコンテキストを持たないので、B のスタッキングコンテキストを持つ要素よりも下のレイヤーになります。

位置指定要素同士でもなければスタッキングコンテキストを持つ要素同士でもないので、HTML 順序による重ね合わせの規則は適用されていません。

  • g. relative | h. absolute

static 以外の位置指定要素同士の比較は、HTML 内の順序による重ね合わせの規則にのっとります。(#位置指定要素(position))

g,h は位置指定要素ではありますがスタッキングコンテキストを持っていない要素です。同じ位置指定要素同士の重なり順は HTML 順序によって決まることは明確ですが、スタッキングコンテキスト要素と位置指定要素同士も同様の重なり順とみなされて最終的に HTML 順序によって決まっているのではないかと思っています(b,c の重なり順と同じ)。

ブラウザで重なり順を確認できる

レイヤーを確認する Chrome 拡張機能などあるようですが、chrome や edge の標準機能でも確認できるようです。 以下は Chrome で、検証ツールを開いて command + shift + p で「Layer」と打ってタブを出して確認しています。 使ったことはないですが、Edge の方が使いやすいらしいです。

参考

z-index の使用 https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/CSS_positioned_layout/Understanding_z-index/Using_z-index z-index なしの重ね合わせ https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/CSS_positioned_layout/Understanding_z-index/Stacking_without_z-index 浮動要素の重ね合わせ https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/CSS_positioned_layout/Understanding_z-index/Stacking_floating_elements Appendix E. Elaborate description of Stacking Contexts https://www.w3.org/TR/CSS2/zindex.html CSS の z-index を理解する https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/CSS/CSS_positioned_layout/Understanding_z-index

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